ボリウッド映画鑑賞記
Vol.41

American Desi     ★★★

Cast : Deep Katdare, Anil Kumar, Purva Bedi


鑑賞記

 最近、立て続けにNRI(Non-Resident Indians)の映画を見ている気がする。
ボリウッド映画のDil Chata Heiがムンバイ・セレブの指示をえて以来、欧米で作られた印度セレブ向けのインド映画が、ドンドン逆輸入されている感じがするのですけど。

 今回も劇場はサリーやパンジャビー姿は、ほんとにチラホラ。家族連れよりは、ヤングセレブや、カレッジの学生カップルが堂々と手をつないで、「印度のスターバックス」ことバリスタのコーヒーを手に、劇場入りする姿が目に付きました。

 主人公は、インド人の両親を持つアメリカ生まれの青年クリシュナ。ヒンディー語も話せない全くのアメリカン・インド2世がインド文化の重圧に耐え兼ねて、ようやく、親元を離れて大学の寮に入ると、そこにはコテコテのインド人のルームメイトが待っていた。数学の先生も、恋に落ちた相手もみんな、インド人!ついには、自分のインドのアイデンティーを取り戻すまでのドタバタコメディーだが、随所にちりばめられたインド文化への風刺を上手にまとめていて、決してインドをおちょっくっていない所が、上出来だと思う。
会場からは、大爆笑が起こっていたし、古いボリウッド映画のレーカ崇拝場面では、ヤングセレブからは、失笑ともつかぬ笑いが漏れたりして、ムンバイの新しいジャンル開拓映画のひとつになると思う。

 タイトルのDesiは、ヒンディー語で、「Country、Nation、Native」というような意味。
さしずめ「アメリカかぶれ、アメリカキコク」って感じでしょうか?
(日本でも帰国子女はカタカナで「キコク」って言われいますね)。
映画の中では、ABCD(American Born Confused Desi)と呼ばれて野次られるシーンがありました。ムンバイ・セレブのあいだで、「ABCD」は流行語になりそう。
あらすじ
 Kris Reddy (Deep Katdare)は、インド人の両親を持つニュージャージー生まれのアメリカン・インディア。(アメリカ育ちのインド人)本名はクリシュナ。でも、小さいころからアメリカ人として育ち、クリスと呼ばれてきた。どっぷり漬かったインド文化の重圧からとうとう解き放たれて、今日は大学の寮へ入る。荷物をまとめて、友人の迎えの車が来たが、階下では、母親が門出の為に、プジャーの準備をしている。父親に目配せされながら、母親からプジャーを受け、両親の足に触れてナマスカール。家の外には門出を祝う、インド人のファミリーたちが盛大にクリスを送り出した。

いよいよ、ばら色の大学の寮生活。しかしルームメイトは、シク教徒のシン君。古典的なインドの大女優レーカを理想の女性と仰ぐ、モスリムのサリーム。ヒンズー教徒でブラーミンの青年が待ち構え、「マサラ・チャナ」を薦められてびっくり。
「クリシュナ、カレッジのショップへ新学期の準備の買い出しに行こうぜ」とルームメイトが言えば、「僕の名前は、クリス。K・R・I・Sのクリスだ!覚えられないのかい?」と言い放つクリス。

友人たちの困惑の中、エンジニアのクラスに行くと、ここでもクラスメートにもインド人、講義のサポートをする助教授もコテコテのベンガル人。この数学の助教授、何しろ何をするのもスローモーションで、おまけに毎日ダバ(カレーランチボックス)持参。田舎もの丸出しでダサイなんてもんじゃない。先生じゃなければ黙殺したいことこだ。ため息をつきながらも、目線を前に移せば、おっと、イケル女の子を発見。クリスの学園生活に一筋の明かりが…。

フレッシュマン・パーティーで早速、さっき見つけたいかした彼女に大接近。いつもの手馴れた手練手管で彼女に言い寄るクリス。その時、後ろにルームメイトのシン君とサリームが、「僕のルームメイト」と紹介すると、流暢なヒンディー語で挨拶する彼女。「どうしてヒンディー語?」と聞けば、「あら、私もインド人なの。」クリスはびっくり、開いた口がふさがらない。

クラス一番のオキャンピーガールは、サリームにお熱。でもサリームは敬虔なモスリム教徒。タンクトップに、ミニスカート、男なら誰にでも尻尾を振るようなアメリカン・スポイル・ガールになんか冗談じゃない。古風なレーカこそ、僕の理想の女性さ。

そんなある日、カレッジで毎年行なわれるインドクラブ主催のインドフェスティバルの実行委員会に参加。インドとかかわるなんてまっぴらだけど、気になるNina Shah (Purva Bedi)が参加するとあれば僕だって。しかし、Ninaを狙うライバル出現で、音楽担当の実行委員に立候補する羽目になる。将来アートの道に進みたいシンはパーティーのデコレーションをかってでる。(父親はシンに対してエンジニアになる事を希望している)

ヒンディーソングなんて全く知らないクリスは、なんとか、Ninaに話を会わせながら、ヒンディーフィルムをはじめて観る。「なんだぁ、これ!最低な展開じゃないかよ。こんな映画音楽でパーティーかい?」と、しらけまくるクリス。インド料理はおろか、Naanさえも知らないクリスだが、友人たちの進めで、Ninaを招いて、気分なおしにルームメイトと企画した本格的なインディアンカレーパーティーは、大失敗。それでも、ガルバ(スティックダンス)の手ほどきをNinaに受けながらデートをに漕ぎつけるが、気分が盛り上った所でスマートなクリスはNinaにKISS。・・・・が、いきなりクリスの頬に張り手が飛んだ!「私はインド人女性なの!」

カレッジ内のモスクで祈りをささげるサリーム。隣の女性専用の部屋を覗くとエキゾチックな目元の女性が真剣に祈っている。(黒いチャドルを着ている)。しかし、部屋を出てきて、ベールをはいだ女性はあのオキャンピー・スポイル・ガール!サリームは信じられない。
彼女の部屋に潜入して、今までの誤解を謝ろうとするが、いきなり両親が訪ねてきて、慌てて、チャドルを着て逃げるサリーム。

ミニパーティーで、またまた、集るインド人たち。怪しげなアメリカギャルがいいよってくる。「ねぇ、インド文化興味あるの。特にカーマ・ストラにね」Ninaを狙うライバルに仕組まれてクリスは、彼女とベッドルームへ。そこへNinaが現れて、目撃されてしまう。完全に誤解されたクリス。

シン君の父親が部屋に訪ねてくる。「エンジニアになるんじゃないのか?絵なんか書いていてどうするんだ。」
Ninaと上手く行かないクリス。サリームも彼女への思いが深まる。アートの道に進みたいシン。それぞれが切なく悩むうちに、ドルガー・プジャーと前にガルバ(スティックダンスパーティー)が来た!4人は、部屋でパーティーム向けて、スティックダンスの練習に余念がない。

パーティー会場はガネーシャの張りぼてゲートに、ドゥルガーの仕掛け人形。クリシュナの偶像に、コテコテのインドイルミネーション。ガルバにダンディやで大盛況。数学のベンガル助教授もサリーを着た金髪フランス女性を同伴してガルバに参加。(やる〜!)

しかし、ライバルは黙ってはいない。今日こそNinaについて着いて決着つけようじゃないか?って訳で、殴り合い!
予想のハッピーエンドで、クリスが勝ってめでたし、めでたし。

シン君の父親が聞く。「このデコレーションどんな仕掛けかい?エンジニアとして…」シン君の業績をたたえて、会場は一転して高らかにバングラがかかる。
クリスがNinaに聞く。「踊ろうよ」「え、バングらで?」
「バングラ?It's OK」踊りながら、こんどこそ、本物のKISS!

          

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