ボリウッド映画鑑賞記
Vol.20

FIZA ★★★★

監督:Khalid Mohamed
出演:ジャヤ・バチャン、カリシュマ・カプール、リティック・ローション、
鑑賞記
監督から脚本を読ませてもらった時から、どうしても出演したかったというカリシュマ。今回の役のためには、ウルドゥー語の発音に磨きをかけ、ナチュラルメーク、鼻ピアスとかなり役づくりにこだわったそうです。モスリムが主人公の映画で、ヒンディ語よりもウルドゥー語が多く、違いの解る人には、会話が美しい響きだそうです。(ヒンディー語よりも、詩的で語彙も多い。アラブ、ペルシャ語が起源)FIZAとはウルドゥー語で、捜索者の意味。カリシュマの事です。当初、失踪した弟役のリティックは、「カホナ…ピアラ・ヘイ」のヒット前にキャスティングが決まり、カリシュマは、リティックは適任ではないと反対したとか…。しかし、リティックが、一躍トップスターに踊り出て、監督も出演時間をぐっと延ばし、コマーシャルにも、リティック中心で、この映画を売り出しました。ラストシーンには、リティックのボディービル・ショー(?)の場面もあり。映画より早くリリースされた主題歌のCDの売上は、発売初日にして、ベスト1位。それもそのはず、音楽監督は、アヌ・マリック。さらに総合音楽プロシューサーに、A.R.ラフマーン。ヒンディーからモスリムに改宗したラフマーンだけあって、ハジアリでのバックミュージックには特に思い入れがあるよう。
国民的俳優アミダブ・バッチャンの奥さん、インド版吉永小百合ことジャヤ・バチャン(昔は清純女優で、とっても綺麗だった)が、大女優の貫禄たっぷりにお母さん役を好演。数10年ぶりのカムバック。このあとアミダブとの再度の共演もあるようです。
 1993年の、ヒンディー・モスリム対立の暴動事件と、1999年のボンベイが舞台。ハジアリ、ケンプスコーナー、PDパーク、インド門、マリンドライブと、おなじみの場所でのシューティング。 アイシュワリヤ・ライと同年にミス・ユニバースになった、スシミタ・センが、ダンスシーンだけ出演。綺麗だけど、ダンスは、期待するほど上手くはないです。エキゾチックな美人。
シリアスな映画で、カリシュマがどんなダンスを披露するのか期待したが、ディスコ・シーンで、いつものイケイケ・ダンスをご披露。1曲は、これで踊らなくてはいけませんね。 片親だけの少年が、不良仲間と血気盛んに暴動に巻き込まれてく。母と姉は、止める事すら出来なかった。事件後失踪した弟を、ジャーナリズムに訴えて、捜索する姉。ようやく、見つかっても不器用な弟は、いつもボタンを掛け違い、さらに悪への道へ走っていく。官僚的な警察、インドの気風批判と、どうにもならない巻きこまれてしまう人生。悲しく切ない「インド版エデンの東」

リティックにとっては、「カホナ…ピアラ・ヘイ」のヒット後の第2弾。しかし、これは、やっぱりカリシュマとジャヤ・バッチャンの映画ですね。カリシュマの相変わらずの努力と根性を見せつけてくれた映画です。ジャヤは、今回の共演で、カリシュマをすっかり気に入り、ぜひ息子(アブシーック・バッチャン)の嫁に…。と考えているらしい。アブシークと、リティックは、同級生。共に27歳。良きライバルでもあるわけですね。

あらすじ

警察の捜索係は、今日も官僚的な答えしかしない。無常にも今日も何も収穫はなくベルを押された。ムンバイに住むモスリムの娘(カリシュマ・カプール)は、未亡人の母(ジャヤ・バッチャン)と、若さゆえ、血気盛んで、浅はかな弟アマン(リティック。ローシャン)と3人で、肩を寄せて暮らしている。1993年の暴動で、アマンは、不良少年たちと、襲撃に荷担し、そのまま行方不明となる。母は今日もハジアリに行き、息子の安否を神に祈っている。アマンには、恋人(ネーハ)がいたが、失踪後、待ちきれず他の人と結婚する事になる。6年後…失踪したアマンにそっくりの人を町で見かけた姉は、新聞社、テレビ局、政治家など、あらゆる手段で弟を探しだそうとする。フィザの恋人が、インターネットで、弟そっくりの映像を探し出し、(そんなこと、出きるのか?…ちょっと、無理があるけど)国境近くにいるとの消息がつかめる。国境の村を探すフィザ。(ここで、スシミタ・センが踊ります)ある晩、ヒンディーの商店を襲撃しているギャングに出会う。その一人の仮面を剥ぐとなんと弟アマンだった。「何をしているのか」と詰め寄るフィザ。「これは聖戦なんだ」というアマン。「アラーの神がそんな事を許しているのか?コーランにそんな教えがあるのか?」と叫ぶ姉。アマンは、姉の気持ちにこたえて、一緒にムンバイに帰る。「何をしていたのか、どこにいたのか…?」などと、聞かない母に、抱かれて、ようやく生きる事を再確認するアマン。しかし、思慮が足りないばかりに、些細な事で、再びけんかに巻きこまれていく。姉の恋人に反抗してみるが、かえって諭され、姉を託すことにする。守るはずの姉には、もう、婚約者がいる。自分の居場所を探すアマンは、再びギャングの仲間と接触する事になる。けんか相手の報復に逆上して、母と姉の前で、思わず銃を取り出して、相手を撃ち殺してしまう。息子の残虐性を見た母は、失意のあまり入水自殺をする。母のサリーを抱いてなきむせぶフィザ。葬儀の日、墓地の片隅で、母の棺を見ていたアマンは、堪え切れずに飛び出していく。既に警察の追跡が始っている。ようやく逃げ延びるが、今アマンのいることのできるところは、ギャングの仲間のところだけ。ヒンディー・モスリム指導者の暗殺命令を受け、トレーニングを積み、ついに狙撃。しかし、ギャング仲間からも命を狙われることになる。警察の追ってを振りきり、操車場に逃げこむと、フィザが追ってくる。アマンは、姉に子どもの頃の楽しかった思い出を語りながら、「もう、この世には、生きていける場所がない。僕を殺して、楽にして欲しい…」と、姉に懇願しライフルを渡す。フィザは引き金をひく。アマンの微笑を見ながら…。

          

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