ボリウッド映画鑑賞記
Vol.9

Refugee ★★★★

監督:J.P.DUTTA
音楽:ANU MALIK
出演:Refugee  アビシーク・バッチャン
    ナーズミ     カリナ・カプール
    インド国境警備軍将校   ジャキー・シェロフ
    パキスタン国境警備軍将校 スニル・セティ
    インド国境の村・村長   アヌパム・ケール
鑑賞記

ヒューマン・ストーリーのREFUGEE(難民)です。(宣伝のコピーに書いてある) インド国民的俳優、アミダブ・バッチャンの息子アビシーク・バチャンと、カプール一族のニューヒロイン、カリシュマ・カプールの妹、カリナ・カプールの共演。共にデビュー作です。監督のJ.P.DUTTAは、97年にジャッキー・シェロフ主演の「BORDER」で、印パ国境紛争の映画を発表。国境シリーズの第2弾。(第3作も予定されている)リアリティ度満点。ロケは、すべて屋外で行なわれていて、本物の武器、本物の兵隊というふれこみ。その上、国境30キロ地点の砂漠でのロケには、真っ白な砂が、何トンも運び込まれて撮影がされたというからすごい。真っ白な砂漠を走るアビシーク・バッチャンは、父の若かりし頃を彷彿させる。 ラジャスタンの民族衣装、ミラーワークのドレス、フラミンゴの飛ぶ湖水、月の砂漠とラクダ、モスリムとヒンディー、インドとパキスタン…。見所はたっぷり。ダンスシーンはほんのわずか、それも映画のなかで全く違和感なく挿入されていて、切ないほどに美しい。アヌ・マリックの音楽も、素晴らしい。インド映画である事を忘れる映画。観客は、かなりインテリな人が多く、一般大衆には、いまひとつ人気がないが、これを観ずしてインドから帰れないと思うほど、きれいで、感動の名作。

この映画には、マサラムービー特有の群舞が、全くありません。ズーっとシリアスなシーンが続き、インド映画である事を忘れてしまいます。超マサラムービーファンには、マサラがない!味付けがない!カレーを食べた気がしない!と思うかもしれない。こういうの日本で上映してくれないかしら。アビシーックは映画界のクリシュナと呼んであげよう。期待してるからね。アブちゃま!
あらすじ

バングラディシュから、カルカッタに難民になって流れてきたナーズミ(カリナ・カプール)一家は、パキスタン・インド国境付近の村にたどり着いた。パキスタン・インドに亡命を斡旋するパキスタン出身の村長(アヌパム・ケール)から紹介された男(アビシーク・バッチャン)は、自分の出生もわからない、天蓋孤独の密航案内人。自らRefugee(難民)と名乗っている。ナーズミ一家は大金を村の仲介業者に払い、Refugeeの案内で、月夜の砂漠を渡り、国境を超える。途中、モスリムの黒いガウンの下から現れたナーズミに、Refugeeは、一目ぼれ。密航する間に恋に落ちるふたり。パキスタン側には、インド村の村長の兄が、同じように密航者をかくまっている。実は、この兄弟は、Refugeeを利用して、密航だけでなく、麻薬や武器の密輸もしている。Refugeeは、ナーズミに「自分には家も家族もない、幸せな家庭が欲しい」とつぶやく。ナーズミは廃屋を手直しして、二人の愛の棲家を作り始める。そして、Refugeeに、「もう危ない仕事は止めて。」と懇願するが、ふたりの生活を始める前にもう一働きするとRefugeeは、何往復もインド・パキスタン間の運び屋をする。ある日、インド国境警備軍に見つかり、射撃され、足に負傷を追うが、軍にいる仲間の一味の機転によって砂漠に掘った隠れ穴で命をつなぐ。インドに帰って、親代わりのシーク教徒のグルの元に身を寄せ治療するRefugee。ナーズミは、帰りの遅いRefugeeの安否をパキスタン村の村長から聞き、アラーの神に祈る日々を送る。ようやくパキスタンに戻ったRefugeeに愛を誓ったバニヤンの木が倒れて、私達の未来はどうなるのかと案ずるナーズミ。パキスタンの国境警備軍の将校(スニル・セティ)が、ナーズミーを見初め、足しげく一家を訪問する。ナズーミが結婚したい人がいると両親に告げると、両親は、てっきりRefugeeではなく、パキスタン軍将校だと思ってしまう。ある日、インド・パキスタンの国境警備軍が、会談しテロリスト、武器の密輸についての警備強化の申し合わせをする。インド・パキスタンの国境隣接の村では点呼が行なわれることになる。インド側では、Refugeeが、知らずに連れ戻ったテロリストが、村長の息子と共にデリーへ行き、列車爆破のテロを行なう。パキスタン側では、点呼が行なわれ、ナーズミ一家が見つかってテロリストの疑いがかかる。ナーズミの父は、自分たちは、ただの難民だ、パキスタンも自分たちを受け入れてはくれないのかと悲嘆にくれながら、パキスタン軍将校と、娘が結婚すればパキスタンへの居住が許可されると娘を差し出そうとするが、ナーズミは自分はRefugeeを愛していると拒絶する。怪我が治り、パキスタンに戻ったRefugeeとナーズミは再びインドを目指して砂漠を渡るが、パキスタン軍につかまってしまう。パキスタン軍将校に、Refugeeに手を出したら自殺すると迫るナーズミ。しかし、パキスタン軍の兵士は、Refugeeを拷問し、ラクダに原爆の核燃料と共に積み、砂漠に追放してしまう。Refugeeは、インド軍に助けられ、インド軍将校から、自分が知らずに、武器密輸、テロリストの手引きをしていた事を知らされ、驚く。自分を殺してくれというRefugeeにインド軍のスパイとして国の為に働く様に言われ、軍のトレーニングをうける。一方、パキスタンに、残るナーズミーは、何度もインドへの逃亡を試み、そのたびに連れ戻される。パキスタン軍将校は、ナーズミーを訪ね、亡命を止めるように解くが、ナーズミは、Refugeeの子を妊娠している事を告げる。 インドでは、テロリストたちが、村長を殺し、国境の村を占拠する。Refugeeの働きで、村は無事に開放される。そして独立記念日の式典の日、両国の将校の働きで、国境の中立地帯で、再会する二人。奇しくもパキスタン独立記念日とインド独立記念日(1日違い)の日付の変わるその瞬間、国境中立線上に一人の子供が生まれる。この子は、ヴィザもパスポートも要らない…。祝福の花火がみんなをつつむ…。

          

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