遭遇したボリウッドスターたち

インド1の色男!
豪華版 シャールク・カーンに会いに行く!


シャールク・カーンのファンの皆様、本当にごめんなさい!
たとえ数分と言えどもシャーさまを1人占めさせていただいて。
インドのバチが当たろうと、石つぶてを受けようとも、
この幸せはYUKKE1人のものでございます。

        

 ボンベイに駐在していれば、あちこちで思いがけず、撮影中のスーパースターに遭遇したりする機会に恵まれる。
 5つ星ホテルのロビーや、大財閥の結婚式、パーティーなど、駐在員の特権的階級との付き合いで、思いがけずの同席なんていうこともしばしば。子供の学校のPTAでスターと同席なんていう機会にも恵まれる。

  ボンベネーゼたちが幸運にも、「シャールク・カーンにあったわよ」という話を聞くたびに、大好きなシャールクに会いたい、会いたい、会いたいという気持ちが高まっていた。サルマン・カーンに会った直後は、あまりの興奮から、4日も熱を出して、ナザール熱(人の羨むようなことをすると、恨みをかって熱を出す)が出て、大変だった。大好きなシャールクにあったら、きっと気がふれてしまうかもしれない。・・・・それも、いいかも。なんて、考えていた。

 ボンベネーゼのお気に入りの茶店 The Tea Center(チャーチゲート駅近く)の、オーナーは、シャールク・カーンのCMを手がける大物プロヂューサーのK氏。この店は、映画関係者の溜まり場でもある。ちょくちょく、ここでハイティーや、ティーテイスティングなどを楽しむうちに、K氏の依頼によって、ボンベネーゼたちは茶道をご披露することとなった。そんな縁で、かなうなら、是非シャールク・カーンと会わせてほしいという、私たちの願いを聞き入れてくださって、K氏のアレンジで2月19日、フィルムフェアー授賞式、Jeevan Jyotコンサートに続いて、ボンベイ・フィルムシティーで、シュティング中のシャールク・カーンを訪問する機会に恵まれる事となった。
 授賞式や、コンサートの事もあって、2度のキャンセルの後の招待であったため、「本当に会えるのか?」と、かなり消沈気味のボンベネーゼ5名であったが、チョコレートボックスや、日本の手土産、花束を抱えて、ボンベイ・フィルムシティを目指したのであった。同行してくれたのは、K氏のセクレタリーのA嬢。シャールクのCM撮りでは、既に彼と何度も面識があるそうだ。

 ボンベイのフィルムシティは、ボンベイ中心街から、北へ約10キロ、GoregaonにWest と Eastの2つの地区に分かれてある。ハリウッドの様に小高い丘の上全部がフィルムシティーとなっている。そのほかにも、フィルムスタジオと呼ばれる、スタジオがこの回りにたくさん点在している。フィルムシティーの中では、おもに屋外ロケを中心に撮影が行なわれている。現在Westにはカラン・ジョハ―ル監督の「カビ・クシ・カビ・ガム」の屋外ロケ用のセットが作られている。また、今回、訪ねたEastにはシルパ・シェティーとアクシェイ・クマールの新作、そして、Eastの山の頂上には今回の訪問となった、Asokaの大セットが作られている。

 夜7時から深夜までの撮影と聞き、近くの5つ星リーラホテルでA嬢と待ち合わせをし、フィルムシティーへ。ゲートのチェックが厳しく、通常は然るべきパーミッションがないと見学の為に入る事はできない。マハラシュトラ政府文化局の正式許可書を取得するのは、大変な時間と手間がかかる。運良く取れてもその見学日に撮影が行なわれているという確証もない。こうして、然るべき人のコネをつかってくらいしか、フィルムシティーや、スタジオの見学は難しい。今回はA嬢のまさしく顔パスで、私たちの車はフィルムシティーの頂上を目指した。

 頂上には、ブルーの立て看板と、またしても、厳重なガードの門が。この看板にはAsokaの文字が。いよいよ、憧れのシャールク・カーンとの体面が迫る。車から降りると、シャールク・カーンのマネージャー氏の熱烈歓迎を受ける。頂上にはグレーの仏跡のような、大掛かりな城が、右手には城砦の巨大な門がそびえたつ。これらはみんな、映画の為に作られたセットとは思えないほどの大掛かりのものだ。マネージャー氏の説明では、このAsokaは、シャールク個人事務所がプロデュースしている作品で、来年5月頃のリリースだそうだ。Asokaといえば、紀元前3世紀に全インド亜大陸を統一した偉大なる帝王。マガタの地の仏教を全インドの宗教の仏教へと変えた功績者だ。統治初めのころは、「暗黒のアショーカ」といわれるほどに、暴虐非道の王であったが、「ダルマアショーカ」となるには、大きな歴史的経緯があった。10万人が死に、15万人が捕虜となり、それ以上の人が戦禍を受けたオリッサの地で行なわれたカリンガ戦争。このあまりの悲惨さを深く悔い、以来「法」による統治を目指すようになる。そのAshokaをいま、シャールク・カーンが、演じようとしている。キング・シャールクがブッディストの王を演じようとしている。まさにそのとき、私たちは彼を訪ねることとなった。


2001年デワリ公開のAsokaの一場面


 ボンベイに来て、2年間にわたって、シャールクを追いつづけて、今、こうして会う時が、ブッディストの王Ashokaの撮影だというのも、何というめぐり合わせだろうか。フィルムシティーに着くまで、大作映画の撮影と聞いていたために、当然カラン・ジョハ―ル監督の「Kabhi Kushi kabhi Gham」を考えていたので、慌ててしまった。

マネージャー氏からチャイを振舞われたが、とても飲めそうにないくらいドキドキだ。椅子も運ばれてきて、ここでお待ち下さいと待つ事5分。「ではどうぞ・・・・」と、案内されたところは、何とシャールク・カーン専用のロケバスだった。(この時点で、もう気絶しそうになる)A嬢に続いて、バスに乗り込むと、「ウエルカム!」と手を差し出されて、握手したかと思ったら、ギュ―と引き寄せられて、頬っぺたつけてハグハグされてしまった。いきなり・・・いきなり・・・。


  
秘蔵のツーショットシャーさまの右腕が、私の腰に回っています!


 ヘビースモーカーのシャールクはさっそく煙草に火をつけている。裾が擦り切れたシーンズに薄いグレーのフリース、ナイキのスニカー、アショーカの撮影のために、髪には長く付け髪をして、ワイルドな感じだ。それにしても何と顔の小さい事か。そこに、あの長い睫毛の大きな目、立派な鼻、厚い唇がどうやって納まっているのかと思うほどの造形美だ!思ったよりもずっとスリムで華奢な感じだ。そして彼はこう話しかけて来た。

今、思い出しても体が震えそうになる・・・・。5人のボンベネーゼが乗り込むと、シャールクは端のイスに座り、彼のベッドをポンポンと、叩いて「カム!」と言って、座る様にすすめてくれる。あぁぁぁ〜、完全に舞いあがってしまった、私だ。


秘蔵の一枚。つけ髪をしている。
フリースもジーンズもはきこんでいてとってもラフな感じ。

「ようこそ。ボンベイにはどのくらいお住まいですか?」
「御主人の仕事の都合でいらしているの?」「どちらの会社?」
「僕も日本の企業のCMに出たことがる。Nissinていう会社。知ってますか?」
「そう、ヌードルのCM」

シャールクは、その後、
 Asokaは、僕の個人的なプロダクションが企画して作っている映画。監督はDil seの撮影をした、Santosh Sivan。若い監督です。相手役のカリナともロマンスもあるけど、カリナの予定がタイトだから、彼女の予定に会わせて撮っているところ。自分の会社だから結構自由が利いて、楽に仕事がすすんでいる。
この映画は、カンヌやベネティアなどの映画祭にも出品したいと思っている。ブディストの王様の話しだから、きっと日本人も興味がわくと思うよ。この後、セットにはいると、僕は上半身裸で、昔の王様の姿になるんだけど、ちょっと恥かしいね。裸だし。(ボンベネーゼたち、思わずキャー

昨日のJeevan Jyotのリハーサルには息子のAryaanも来ていたようだけど?
 はぁ。昨日も見てくれたんだ。昨日は日曜日だったでしょう。だから、彼と一緒にいたかったのでね。
僕の父方の先祖はモンゴル系なんだ。家族にも日本人的な顔立ちが結構いるんだよ。そのせいか、息子はちょっと目がつり目っぽくて、オリエント的な顔立ちだね。彼はジャパニーズ大好き。時々ジャッキー・チェーン!て、彼を呼ぶと喜んでるよ。餃子も好きだね。

今度のOne Two Ka FourにはOsaka Muraiyaという曲があるけど、日本語ですね。どういう意味?
 日本語だもの、教えてよ?なんていう意味なの?僕も知らない。

Osakaは、地名で、Muraiyaはお店の名前みたいなんだけど。ロンドンのマークス&スペンサーみたいな感じ。
 あはは、そうなの?作詞家が、サウンドをおもしろがったんじゃないかな。最近は日本語とかをチョットだけいれるのが流行りだから。へぇー、大阪・村井やねぇ・・・。

家族と過ごす時間はどうやって、作っているの?すごくハードワークのようだけど?
Asokaは、僕の事務所の映画だから、自分のペースで作れるから、それほど今は忙しくない。これとKKKGがWestであって、常時3本くらいは掛け持ちが当たり前だからね。

日本に来る予定は?
DDLJ、Dil seの時も訪日の話しがあったけど、実現しなかったね。まだ日本には行ったことがない。残念だけど。

というような、話をしました。もっとたくさん(約20分)くらい話していましたが、あとは鮮明に覚えていない。かなり舞いあがっていたんですゥ。写真も撮らせて頂いて、サインまでねだってしまいました。本当にクールで、ジェントルマンで、教養もあって、この後シューティングを見せていただきましたが、これはシャールクのすごさを、さらに実感したのでした。
この時の実録ビデオを何度も見ながら今も震えが止まりません。
撮影が開始されました。大きな石作りの風呂場の周りには、たくさんのオイルポットの明かりが揺らめき、バスタブには熱いお湯、マリーゴールドの花びら、マンゴの葉が、浮かんでます。つけ髪に真っ白なクリームを塗ったシャールクが、サーモンピンクのドーティー姿で現れました。上半身には、白いジャケットを羽織っています。脇役の二人は刀をかざし、暗殺の場面。

 何度も脇役に,演技の注文をつける監督。シャールクはセットの片隅で、アグラを組んでタバコをかた時も話さずに、じっと出番を待っていました。タバコがつきた時、両手のひらを上に向け、ひざの上に置き、軽く目を閉じて、瞑想し始めました。アショーカ王の役作りに入るすごく緊迫した空気が辺りに漂い、スタッフたちも固唾を飲んで見守っています。なかなか、思いどうりの演技が決まらない脇役に、シャールク自ら演技指導が始まり、こういう感じで襲いかかれと指示。この映画は彼の個人プロダクションが、製作しているだけあって、シャールクには特別な思い入れがあるように感じます。

まわりの灯明には、何度も油が注がれ、バスタブにはドライアイスが入り、もくもくと煙も立ち始めました。
当時の王は、入浴に特別なハーブの顔料を塗り、瞑想したそうで、この瞑想シーンも、真っ白に顔一面にクリームを塗ったシャールクは、すごい形相で、殺気みなぎる感じです。いよいよ、脇役の演技の型も決まり、撮影開始。


ドライアイスが焚かれて、暗殺のシーン

シャールクは、ドーティー姿、上半身、裸のまま、浴槽に入りました。外気は夜になってかなり冷えこみ始め、長袖でも寒いくらい。浴槽には熱いお湯がはられていましたので、シャールクは、肩まで浴槽につかりながら「ジャパニーズ・ホタ・ヘイ」(そう聞こえましたが・・・)と、つぶやきました。きっと日本人の私たちを意識して、日本の温泉みたいだなぁ…という感じの呟きだったようです。
さらに、顔、上半身、髪に真っ白なクリームが塗り重ねられ、息をのんでの撮影開始。浴槽につかり瞑想するシャールク・カーン。浴槽わきから、金のポットの水を取り、顔にかけるシャールク・カーン。そこに切りかかる悪役。振り返るシャールク・カーン。これを2回練習して、いざ本番。
わずか、1分くらいのシーンでしたが、カメラが回り出してから、見事一回で、OK。すごい、気迫!
まさしくアショーカ王、そのもののシャールクは、何かに取り付かれたようにさえ見えます。僕の先祖はモンゴル系といったシャールク、インドに仏教を広めたインド初の国家統一を成し遂げたアショーカ。

 ペルシャ系の血筋も引く、モスリムのシャールク、王たる、自分の残虐性を、悔い改めようとしたアショーカ。・・・・・この撮影を見ていて、まさしく、ヒンディー映画のキング・シャールクが演じるところのアショーカに、2つの王の姿が、重なって、大きな期待を、感じずにはいられないほどの、撮影情景でした。あまりに、鬼気迫る演技と、雰囲気にすっかり、くたくたになり、これ以上ここにいては、大変な事になりそうだという感じさえしました。もしも、シャールクが、こちらにちらりと視線を送ったとしたら、きっとあまりの恐ろしさに気絶していたに違いない・・・・演技を超えるようなムードに、紀元前3世紀にタイムスリップした錯覚にも、陥ったほどです。

 撮影の邪魔になってもいけないと、ようやく撮影場所から息を殺しながら、出て来て、反対側に作られたオリッサの村のセットを歩き、アショーカの撮影が、ここでも繰り広げられていく様を想像しました。

 シャールク・カーンにとっても、このような壮大なスケールの時代劇は初めてで、それを自分のプロダクションで、すすめているせいか、かなりの熱の入れようである事は伺えました。映画人ならば誰でもがしたい、自らの監督も今回、関与しつつ撮影は順調にすすんでいるようでした。

撮影所を後にして、自宅に帰ってからもシャールク熱は当分冷めそうにありません。まさしく王、いや私にとっては神様にあったような気さえしました。彼のあの情熱や自信、気迫・・・・。キング・シャールクを目の当たりにして、シャールク・オーラを浴びた私は、かなり重症です。私の髪からほのかに香るタバコのにおい・・・・キャーこれってシャ―様の煙草の煙よね?シャールクの煙を吸って、ますます、狂ってしまいそうです。あ-眠れない!

ボンベイに来て本当によかったです。シャールク・カーン、私の為に時間を割いてくださって、ありがとう!
そして、ますますの御活躍を影ながら応援させていただきます。Asokaの公開を楽しみにしています。
(2000年2月19日 ボンベイ)


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