Diary



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12月23日(月)  「追い込み」

追い込みである。
食事の仕度も家事も最低限にはしょって、今、年賀状書きに命を燃やしている。
例年、年末年始は旅行先で過ごす我が家は、クリスマス前後が年賀状準備の追い込みとなる。
今年は、28日出発のため、あと数日のうちにケリをつけなければならない。

書くのは苦しくもあり、楽しくもある年賀状。
自分が何と戦っているのかよくわからないまま、私はきょうもハガキ相手に格闘している。




12月18日(水)  「独り言」

午後、私用のため電車で出かけた。
昼下がりの車内は、空いている。
電車に乗ったとたん、女性の話し声が聞こえた。
喋っているのは、60歳くらいの女性であった。
向かいのシートに連れが腰掛けているらしく、まっすぐ正面を向いたまま、車両中に響くような声で熱弁をふるっている。
しかし、彼女の向かいの席に座っている人物を見て、息を飲んだ。
それは若いサラリーマン、しかも眠っている。
もはや考えるまでもない。女性は、独り言を言っているのだ。
見えない相手と喋っている、と言った方が正しいかもしれない。
静かな車内には、彼女が延々と語る言葉だけが響いている。
話題は、息子だか親戚の誰かだかが、海外に長期出張に行くとか行かないとか、そんなことらしい。
家庭の事情から、日本の国際交流についてまで、話しはどんどん展開していく。

不思議な光景ではある。
しかし、よく考えれば、そう珍しいことではないのかもしれない。
人は誰でも、常に誰かと会話したり問いかけたりしながら生きているものなのではないだろうか。
その相手は、もう一人の自分だったり、遠くの友人だったり、恋人だったりするだろう。
要は、その心の中の会話を、声に出すか出さないかの差だけではないだろうか。

やがて、電車は私の下車する駅に着いた。
話の続きに心を残しながら、私は電車を降りた。





12月15日(日)  「TDR」

息子と二人で、ディズニーリゾートを1泊2日で楽しんできた。
10月末の超多忙だった時期に、自らの鼻先にぶら下げるニンジンとして計画した旅行であった。
以来、この2日間をずっと夢見ながら頑張ってきた。
思えば、安い夢である。

楽しい2日間を終えて電車で帰宅する途中、息子は何度も、楽しかった、楽しかったと連発した。そして、
「これが夢だったらね・・・。目が覚めたら、また行けるのにね」
と言う。

現実と夢の狭間で楽しんだ2日間。
そして明日からは、また、新しい夢を目指して現実社会で戦わなければならない。
大人も、子どもも。






12月11日(水)   「ろい」

息子がまた、かけ算九九50問テストの答案を持ち帰った。
赤ペンで100点と書かれた横に、鉛筆で「ろい」と書いてある。
「何?この、ろいって?」と、息子に聞くと、彼は言う。
「ろいじゃなくて、3位だよ」
答案を書き終えて提出した順位なのだそうだ。先生の指示で、自分で書いたのだと言う。
息子はクラス内で3番目に提出した、ということらしい。
3位だった知れば、1位と2位は誰だったのか知りたくなるのが人情である。
息子に聞いてみた。
1位はF君とのこと。息子の話に、よく出てくる子である。
彼は算数も国語も体育も得意な、典型的な優等生タイプらしい。
しかし、2位が誰なのか、息子はよくわからなかったのだと言う。
わからないとなれば、よけいに興味をそそられる。
息子と、2位が誰だったのか、面白半分に推測してみた。
「Y君じゃない?」思い当たる子の名前を、言ってみる。
「いや、違う。Yは算数は弱い。」と息子。
「じゃ、K君は?」
「可能性はあるね。Kは算数は強い。ぼくと同じくらいの強さ」
この、強い弱いという表現にひっかかる。
まるで、トランプゲームのカードの強さを語るように、息子は友達の学力を語るのだ。
息子にとって学校の勉強は、ゲームのようなものなのだろうか。
平成生まれの感覚は、理解できない・・。






12月9日(月)  「雪」

反則である。
月曜の朝の大雪。
寝込みを襲うとは、酷すぎる。
それとわかっていれば、もっと早く起きたものを・・・。
目覚めてからは、自転車を使わずにどうやって出勤するか、
その算段にのみ頭を使った。

もうひとつの悩みは、雪かき。
我が家には、小さな庭がある。
そのささやかな庭が、草むしりの時と雪かきの時にだけ、
とてつもなく広大な土地に思えるから癪に障る。
しかし、今夜は、息子がチリトリひとつで庭中を除雪してくれた。
100円のお駄賃で・・・。
ありがたいことだ。
ついこの前まで赤ちゃんだったはずなのに、いつのまにか雪かきができるまでに
成長している息子が、きょうはとても頼もしかった。

雪の影響か、我が家のテレビは今朝、10チャンネルだけが映らなかった。
のんびり起きてきて、欠伸まじりに夫が言った。
「雪で、うちのアンテナ、おかしくなったんだな・・・」
うちは、ケーブルテレビだっての・・・(ーー;)

雪は、スキー場でお目にかかれば十分である。
明日の朝は晴天でありますように・・・。






12月8日(日)  「圏外」

息子を連れてデパートへ買い物に出かけた。
息子をゲームコーナーで遊ばせている間に、私は買い物をすませるつもりだった。
売り場を歩き回っていると、時間はあっと言う間にすぎてしまう。
ふと気になってポケットの携帯を取り出して見て、私は慌てた。圏外なのだ。
いったい、いつから圏外だったのだろうか。
別れてから、かなり時間が経っている。
息子は、自分の携帯から私の携帯に何度もコールしたに違いない。
お互いに携帯電話を持っているという安心感から、待ち合わせの場所も時間も何も決めずに別行動を取ってしまっているのだ。
私は急いで電波の届く所へ移動し、息子の携帯にかけてみた。
すぐに息子の「もしもし」という声が聞こえた。
しかし、そのあとは無音である。ツツッ、ツツッという、圏外警報音が鳴っている。
電波状態の良い所を探しまわって移動するが、電話は繋がらない。
通話は諦め、メールを送ることにした。
≪ママは、2階にいます≫
まもなく、エスカレーターを降りてくる息子の姿が見えた。
「何度もママに電話したんだよ。あっちこっち歩いて探しまわって・・・。ママ探しで、ぼく疲れちゃったよ」
息子は文句たらたらである。

どうやら、「迷子」になっていたのは、息子ではなく親の私の方だったようだ。





12月5日(木)  「九九」

小学2年生のかけ算九九の学習も佳境に入ったようだ。
息子が、九九50問テストの答案用紙を学校から返されて持ち帰った。
算数は、息子が最も得意とする科目である。
答案を見ると、1問まちがいがあり、赤ペンで98点と書いてあった。
算数に対して絶対の自信を持っている息子は、誰よりも速く答案を仕上げることに誇りをもっているようなところがある。
速く答案を提出したいがために、きちんと見直しをせずに出してしまったに違いない。
息子に聞いてみた。
「このテスト、クラスでいちばん早く終わったのは誰?」
「たぶん、ぼく」
私は、言った。
「いくら早く終わっても、間違いがあったら何にもならないでしょう。じっくり考えなきゃだめよ」
すると息子は、平然とした顔で言う。
「じっくり考えたよ。じっくり考えたから、1問しか間違わなかったんでしょう」
・・・なるほど。

丸め込まれてどうする、母。





12月3日(火)  「バスタオル」

風呂上りの息子に、夫が自分のバスタオルを使わせようとした。
息子が文句を言う。
「ぼくのバスタオルは、これだよ!」
自分のタオルとはまったく違う色のバスタオルを見せられ、夫は言った。
「・・・・うちって、一人に一枚ずつバスタオルがあったの?」
息子は呆れたように言った。
「今まで知らなかったの?パパは・・」
何事にも無頓着な男である。

歯ブラシが一人一本ずつあるのは知っているだろうか?
まさかとは思うが・・・・。

怖くて、聞けない。





12月1日(日)  「秘密の部屋」

息子と「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を観てきた。
品川プリンスシネマのプレミアム館。
チケット代は一人2500円である。子どもも同額だ。
折しもきょうは映画の日。一般館ならば大人も1000円で映画を見ることができる日であった。

昔から、並んで待つということが苦手である。
映画を見たいがために行列して席を取ったり、運が悪ければ立ち見、などという苦行に耐えられないのだ。
でも、ほとぼりが冷めて映画館が空く時期を待てるほど、辛抱強くもない。
結局のところ、我侭なのかもしれない。
だから、近年は、映画を観る時は指定席が取れる映画館に行くことに決めている。

プレミアム館というだけあり、シートは大きく、座席間隔が広く段差も大きいため前の席の人の頭が殆ど見えないつくりになっている。
ゆったりとした肘掛もついており、肘掛の先端には小さなテーブルも設置されていた。
私の隣の席に座ったのは、3人の幼児を連れたお母様。
2歳から5歳くらいの子どもたち3人にもちろん一席ずつ取っている。
贅沢なことだ・・・。
自分のことを棚に上げて、そう思う自分が、可笑しい。



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