涙のマリア
ねぇ、あなた
今日、会いに来る時
とびっきりの口紅を
ちょっと拝借してきたの
でも、すぐにばれて
拭われたわ
わかる?唇に少し、赤みが残っているでしょう
その上、一番安いベージュ色の口紅を塗られたわ
ねぇ、きっと、
貴方を独占したいんでしょうね
私を天使と言うけれど
狼だったらどうするの?
そんな格好で、私が大きな口をあけて
襲いかかったら
ひとたまりもないんじゃない?
ねぇ、口の周りの赤いところ
口紅なんかじゃなくて、血液だったらどうするの?
私になら全てをささげてもいい
嫌だわ
不味そうだもの
そう、ここ、胸のあたり
あの女にやられたの
なんてね
嘘はお見通しなんでしょう?
そういうところが好き
私がいくら記号の中に埋もれても
引きずり出してくれるのね
この奥にはもっと、深い十字架が埋まってる
貴方は自分がどれだけ罪深いかわかっていないし
惑わされてるだけなのよ
ねぇ、私を一人にしないで
貴方と居ると孤独だわ
それでもお肉を差し出すの?
好きにするがいいわ
どちらにしろ私は逃げ惑う羊
さぁ、お眠りなさい
とって食ったりしないわよ
もう疲れた、二度目はないわ
早くお眠りなさい
羊の数を数えながら
毎晩彼女が釘を打つ
毎晩僕らが釘を打つ
彼女の深い暗闇に
画材:パステル・色エンピツ・クレヨン
紙:黒い画用紙
2004/4/20
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