LOVE
買い物に行った帰り道
灰色の影があった
よく見てみると、ツバメの雛で
既に息絶えてた
見上げると、巣があって
親鳥が居た
雛はまだ小さくて、ぽやぽやした毛の中から
やっと太い羽根がはえはじめた頃
巣から落ちてしまったんだろう
綺麗な亡骸だったので、家の庭にうめようと
ティッシュにくるみ掌に載せた
まだ暖かく、熱いくらいだった
外傷もなく、血もなく、寝ている姿そのまま
「生き返らないかなぁ…」
家に帰ってからも望みが捨てられなくて
プラスチックの入れ物に入れて
撫でたり、眺めたり…
気絶しているだけだったりしないかな
お願い目を開けて、声を聞かせて
雛は、
息をしていない
心臓は動かない
やっぱり、死んでいる
今にも「ピヨ」って言いそうなのに
羽根をのばして飛んでいきそうなのに
体は冷たく硬くなっていく
目は閉じたまま、開かない
あと少し雛が成長していたなら
空を飛べたかもしれないのに
羽根ははえはじめているけど
身体を支えるほどじゃなくて…
死は死
訪れたなら再会はできない
あきらめて庭の花を雛の横にそっと置いた
明日庭に埋める
今からでも、成長しておくれよ
息をして、目をあけて、羽根をひろげて…
願いは叶わない
璃誅ちゃんとだぶる
あの子も空を知らずに死んでいった
野鳥なだけに、辛い
ツバメと違って璃誅はハトだったから
害獣として迷惑がられていたかもしれないけど
一度は空を飛んで欲しかったな
目の前で命が絶えていく姿を見るのは凄く辛い
ねぇ、璃誅ちゃん
私たちにとって空はとても遠いね
見上げればいつもそこにあるのに
私たちには届かない
私には、届かないのかな?
羽根がないから…
ねぇ、貴方はあの彼方に居るのかな
小さな翼を持った
小さな雛が、死にました
もし貴方が空の彼方にいるのなら
きっとそこで会うでしょう
ねぇ、小さな貴方
あの子に宜しく言っておいて
ねぇ、できるなら
貴方にも逝って欲しくなかったのだけど…
出会った時既に息絶えていたのだから
無理な話よね
私にも、あの子にも、小さなこの子にも
空は目の前にあったはずで
そこに飛び立つはずだった
夢に終わった遠い空
貴方達は土に返るけれど
貴方達を感じたい時は
空に手をのばすよ
だから、ねぇ、私を感じていて
きっと覚えているから
空に手を伸ばす時
風を送るよ
飛び方を知らない羽根にも、
まだ飛べない小さな翼にも、
羽ばたけるように
風を送るよ
そう、願いを、空に
2005/7/16日記より
画材:パステル、色鉛筆
絵:2005/7/16
|
|||
|
|